●江戸明治和本●〈狂歌〉富士百景画譜 【判型】中本1冊。縦178粍。 【作者】真入亭富士江原作。聚栄堂主人（大川錠吉）編。 【年代等】万延元年4月、真入亭富士江序・初刊。明治23年10月再刊。［東京］大川屋書店板。 【備考】分類「狂歌」。『〈狂歌〉富士百景画譜』は、真入亭富士江作、万延元年刊『富士山百景狂歌集』の改題・改編本（前付数丁を割愛）で（具体的には、万延板の前付の「富士山の御由来」「富士山東南図」「同北西図」「ふじ山みちしるべ、甲州かい道・同東海道」の部分、第4～6丁の合計3丁を省く）、富士山の風景画に狂歌を添えたもの。序文で、詩は「唐人の寝言」、和歌は「公卿の寝言」、狂歌は「俗人の寝言」と譬え、「詩は四角ばり、和歌はわからず、狂歌は愛敬ありて素人には一番わかり易し」と書き始めて、本書執筆の経緯などを戯文で綴る。本文は半丁に狂歌1首と富士山の図1葉を掲げて全百景とする。冒頭の狂歌は「富士山は世界のはしら是で此、青天井の中もたるまず」。末尾の狂歌は「雲泥の違ひはあれど東西の、大関となる富士と水海」。種々の狂歌に多彩な富士山の情景を描く。 ★原装・題簽付・状態良好。【参考価格（初出品時の相場）：日本の古本屋で、明治板が、42,000円～75,000円】。